研究活動の成果
ライスパワーNo.105
「アルコール摂取障害緩和剤(内⽤)」

ライスパワーNo.105は、
1. 肝機能の低下を抑える
2. グルタチオンやグルクロン酸による体内の解毒作⽤を⾼める
これらの作⽤が明らかになっていることから、例えば、お酒(アルコール)を飲んだ時にみられる様々な悪影響を緩和する特徴をもっています。

1. 肝機能

肝臓は、栄養素やエネルギーを作る・貯蔵する・全⾝に運ぶ・リサイクルするといった役割をもち、さらに、不要な成分を分解し排出する機能も備えた私達が⽣きていく上で⽋かすことのできない⼤事な臓器です。
しかし、⽣活習慣病、暴飲暴⾷、ストレス、薬、過度な運動、睡眠不⾜、ウイルス感染などのリスクに晒されやすく、痛みなどの⾃覚症状もあまり出ません。肝機能が低下すると疲労感、倦怠感、⾷欲不振、発熱などがみられますが、そのまま放っておくと、脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝がんなど深刻な病気に繋がっていきます。

肝機能に異常があるかどうかは、健康診断で実施する⾎液検査のGOTやGPTといった数値で確認することができます。

検診 説明 基準値
GOT(AST) タンパク質を分解してアミノ酸を作る酵素。
肝臓の細胞が障害を受けると血液の中に流れ出し数値が高まります。
30U/l以下
GPT(ALT) GOTと同じでタンパク質の代謝を行う酵素です。
障害を受けると数値が高まります。
30U/l以下
γ-GTP お酒の飲みすぎや脂肪分の過剰摂取で血液中の数値が高くなります。 50U/l以下
ALP 肝臓や胆道の他、
骨や甲状腺に障害が起こると血液中の数値が高くなります。
38~113U/l未満

全国健康保険協会ホームページより一部抜粋

2. 解毒作⽤(グルクロン酸・グルタチオン)

体内に⼊った薬物・毒物・異物・アルコールなどは、そのまま排泄物として排出されるほかに、肝臓などで分解されて無毒化されることで⼈体の健康を保っています。
この解毒作⽤を体内で担っている成分の⼀つに、「グルクロン酸」と「グルタチオン」があります。

グルクロン酸

グルクロン酸は、疎⽔性の毒物や不要物を取り込むことで⽔溶性に変えて体外に排泄しやすくする役割があります。
アルコールも⼀部はグルクロン酸によって体外に排出されています。

グルタチオン

グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸からなる成分で、グルクロン酸同様に解毒作⽤をもっています。毒物を抱合(キャッチ)することで無毒化して体外へと排出します。
例えば、⼆⽇酔いの原因と⾔われるアセトアルデヒド(アルコールが分解されて⽣成)を無毒化することができます。
さらに、グルタチオンにはフリーラジカルなどの活性酸素種から⾝体を守る抗酸化作⽤もあり、⾝体の恒常性(健康であろうとする性質)を保つために重要な成分です。
グルタチオンによる解毒作⽤や抗酸化作⽤は、⽣体恒常性の維持に⽋かせないもので、美容や健康に重要な成分であると⾔われています。

グルタチオンの働き→期待できる効果

ライスパワーNo.105の効果

1. 肝機能保護効果

ライスパワーNo.105には、肝機能を保護する効果があります。

試験⽅法

薬剤によって肝機能の低下を引き起こすような条件下において、ライスパワーNo.105を投与し、指標であるGOT(AST) ,GPT(ALT)を測定

※GOT(AST) ,GPT(ALT)
ヒトの⾎液検査でも扱われている値
肝臓細胞内に存在する酵素で肝障害を受けると細胞が壊れて⾎液中に流れ出し、数値が上昇する

肝機能保護効果
結果
ライスパワーNo.105は、肝機能障害の指標であるGOT、GPTを低下させ、肝機能を保護する効果があることが分かりました。

2. 解毒効果

ライスパワーNo.105は、以下のような解毒効果があります。

解毒効果

①⼩腸や肝臓で、グルクロン酸と毒物や異物、アルコールを抱合し無毒化する酵素:UGT1の遺伝⼦発現を⾼めます。

②グルタチオンを合成する律速酵素:GCSの遺伝⼦発現を⾼め、アセトアルデヒドなどの異物を解毒するためのグルタチオン量を増加させます。

③無毒化した後に体外に排出する役割を担うMRP2の遺伝⼦発現を⾼めます。

① UGT1遺伝⼦発現増加作⽤

試験⽅法

ヒト由来肝臓細胞および⼩腸細胞にライスパワーNo.105を作⽤させた時のUGT1遺伝⼦発現解析をアルコール(エタノール)添加の有と無の両条件で⾏った。

【UGT1】(ヒト肝臓細胞)
【UGT1】(ヒト小腸細胞)
結果
ライスパワーNo.105は、肝臓、⼩腸共に、アルコールを無毒化する酵素:UGT1の発現を増加させる効果があることがわかりました。

② GCS遺伝⼦発現増加作⽤

試験⽅法

ヒト由来肝臓細胞および⼩腸細胞にライスパワーNo.105を作⽤させた時のGCS遺伝⼦発現解析をアルコール(エタノール)添加の有と無の両条件で⾏った。

【GCS】(ヒト肝臓細胞)
【GCS】(ヒト小腸細胞)
結果
ライスパワーNo.105を作⽤させると肝臓、⼩腸共にグルタチオンを合成する酵素:GCSの発現が増加しました。これによって⽣体内の解毒・抗酸化物質であるグルタチオンを増加させる効果があることがわかりました。

③ MRP2遺伝⼦発現増加作⽤

試験⽅法

ヒト由来肝臓細胞および⼩腸細胞にライスパワーNo.105を作⽤させた時のMRP2遺伝⼦発現解析をアルコール(エタノール)添加の有と無の両条件で⾏った。

【MRP2】(ヒト肝臓細胞)
【MRP2】(ヒト小腸細胞)
結果
ライスパワーNo.105は、UGT1やグルタチオンによって無毒化された物質を体外へ排出する酵素:MRP2の遺伝⼦発現を増加することがわかりました。これによって不要物が排泄されやすくなります。

3. アルコール摂取障害緩和効果

ライスパワーNo.105には、肝機能保護効果、解毒効果があり、アルコール摂取障害を緩和する効果が確認されています。特にアルコールが体内で分解されて⽣成するアセトアルデヒドの濃度を低下させる効果があります。

アセトアルデヒドは、お酒の弱い⽅(すぐに顔が⾚くなる⽅)で特に体内蓄積しやすく、⼆⽇酔いや頭痛、悪酔いの原因と⾔われています。

試験⽅法

お酒の弱い⽅7名を対象に、プラセボ・ライスパワーNo.105(20mL)・ライスパワーNo.105(40mL)・ウコン・肝臓⽔解物をそれぞれ飲⽤した上でアルコールを摂取してもらい、経時的に⾎中のアセトアルデヒド濃度を測定した。

アルコール摂取障害緩和効果
結果
ライスパワーNo.105は、アルコール摂取30分後から180分後まで全ての測定ポイントにおいてプラセボよりも⾎中アセトアルデヒド濃度が有意に低下していました。また、この効果はウコンや肝臓⽔解物よりも⾼いという結果を⽰しました。
これによりライスパワーNo.105には、アルコール摂取障害を緩和する効果があることがわかりました。

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